NAATI CCLとは?形式・採点・申し込みを日本語で解説

NAATI CCLとは、約300語の対話2本を英語と日本語の両方向に通訳し、189・190・491ビザの申請で5ポイントを取るためのNAATIの試験です。形式、90点満点の採点、myNAATIでの予約、結果が届くまでを、NAATIが公表している事実だけでまとめました。規定は変わるので、申し込み前にNAATIのCCLページも見てください。

最終更新

どんな試験で、誰が受けるのか

CCLはCredentialed Community Languageの略で、NAATI(National Accreditation Authority for Translators and Interpreters)が実施する通訳の試験です。録音された対話を聞き、英語のセグメントは日本語に、日本語のセグメントは英語に、その場で声に出して訳します。書く作業はありません。相手はマイクだけです。

測られるのは、地域社会の日常場面で意味を運べるかどうかです。GPの診察、Centrelinkへの電話、賃貸のボンド(敷金)の返還をめぐるやり取り。NAATI自身がこの試験を「専門資格ではない」と位置づけており、合格しても通訳者として働く資格にはなりません。検索でよく見る「NAATI翻訳試験」という呼び方も、CCLには当てはまりません。

受けるのは、189・190・491ビザのポイントがあと少し足りない人です。日本語はNAATIがCCLを実施している55言語の一つで、日本語の合格体験記には、看護師やソーシャルワーカーとして働きながら受けた人の記録があります。

数字で見る試験の全体像

項目内容
対話の数2本(各約300語、生活場面の会話)
セグメントの長さ最大35語程度。聞き終えてから訳す
配点各対話45点、合計90点満点
合格点合計63点以上、かつ各対話29点以上
受験方法オンラインのみ(遠隔監督)
結果4〜6週間以内にメールで通知
有効期間5年間
永住権ポイント189・190・491ビザで5ポイント

5ポイントの中身と、5年間の有効期間

合格すると、subclass 189(技術独立)、190(州ノミネーション)、491(地方)のポイントテストで「credentialled community language」の項目として5ポイントが加算されます。英語試験の点数とは別枠で、職業にかかわらず同じ5ポイントです。ポイント表そのものは内務省のサイトにあります。

この5ポイントで永住権が決まるわけではありません。招待は総合点と職業次第です。ただし招待ラインまであと5ポイントというとき、CCLは自分の努力で取りに行ける数少ない加点項目です。年齢のポイントは、待っても増えません。

資格は5年間有効です。申請の予定が先なら、有効期間の終わりから逆算して受験時期を決めてください。

形式:対話2本、最大35語のセグメント、両方向

対話は2本、それぞれ約300語です。英語話者と日本語話者が交互に話す設定で、発話は最大35語程度のセグメントに区切られています。聞き終えたら、すぐに声に出して訳します。方向はセグメントごとに入れ替わります。

題材は医療、法律、移民、教育、地域サービス、雇用、保険、消費者問題、住宅、金融といった生活分野です。日本語の合格体験記には、葬儀保険の問い合わせや食洗機の故障をめぐる苦情が出たという報告もあります。住民と窓口の会話です。

本番のセグメントは、こう流れます

  1. 英語 → 日本語医師

    Good morning. I understand you've been experiencing some chest pain over the past few days. Can you tell me when it started and how severe the pain is on a scale of one to ten?

    おはようございます。ここ数日、胸の痛みがあるとのことですね。いつ頃から始まったか、痛みの程度を1から10の段階で教えていただけますか?

  2. 日本語 → 英語患者

    3日ほど前からです。痛みは出たり引いたりで、10段階で6くらいです。階段を上ったり早歩きしたりすると悪化します。

    It started about three days ago. The pain comes and goes, and I would rate it around six out of ten. It gets worse when I climb stairs or walk quickly.

  3. 英語 → 日本語医師

    I'd like to run some tests including an ECG and blood work. We'll also need to check your blood pressure and cholesterol levels. Do you have any allergies to medication?

    心電図や血液検査などの検査を行いたいと思います。血圧やコレステロール値も確認する必要があります。薬にアレルギーはありますか?

上の例のように、1セグメントには数字、列挙、質問がまとめて入ります。聞き直しの可否や進行の細かい規定は、NAATIの受験者向け指示と予約後に届く案内が正なので、ここでは断定しません。

受験はオンラインのみです。会場はなく、自宅などの静かな部屋から遠隔監督のもとで受けます。NAATIが挙げている機材は次のとおりです。

  • カメラ、マイク、スピーカーの付いたノートPCまたはデスクトップPC(ヘッドセットは不可)
  • 2台目のカメラとして使うスマートフォンかタブレット
  • 下り10 Mbps以上、上り1.5 Mbps以上のインターネット回線

採点:45点満点からの減点方式

63 / 90
合格ライン:63点以上
29 / 45
各対話とも29点以上が必要
+5
永住権申請に+5ポイント

各対話は45点満点から始まり、セグメントごとの訳に問題があるたびに点が引かれます。引かれる理由は4つ。情報の省略、原文にない追加、意味の歪曲、そして著しいためらいです。アクセントは採点されません。文法の完璧さも求められません。

合格は合計63点以上と、各対話29点以上の両方です。対話1で40点を取っても、対話2が28点なら不合格。得意な分野で稼いでも、もう片方の穴は埋まりません。逆に言えば、2本合わせて27点までは落とせる計算です。

気をつけたいのは数字の桁と否定です。fortnightlyを「毎月」にすれば意味が歪み、「薬は飲んでいません」の「いません」が落ちれば省略。長い沈黙のあとの言い直しは、ためらいとして引かれます。

申し込み:myNAATIでの予約手順

予約はnaati.com.auのmyNAATIアカウントから自分で行います。エージェントは要りません。

  1. naati.com.auでmyNAATIアカウントを作る。
  2. CCLを選び、言語にJapaneseを指定する。
  3. 日時を選ぶ。日本語の試験日はNAATIの試験日検索で確認し、招待の締め切りから逆算して早めに押さえる。
  4. 受験料を支払う。執筆時点(2026年9月)でNAATIが公表している受験料はA$814です。改定されるので、支払い前に画面の金額を確認する。
  5. 予約確認のメールが届いたら、機材と部屋を準備し、NAATIの受験者向け指示を読む。

結果:4〜6週間以内にメールで届く

結果はNAATIからメールで届きます。目安は4〜6週間以内です。招待ラウンドが見えているなら、6週間を見込んで受験日を決めてください。

合格していれば、EOIの「credentialled community language」の項目でポイントを申告できます。不合格なら、myNAATIから次の回を予約し直します。受験料は毎回かかります。

難易度:英語力とは別のところで点が落ちる

難易度をIELTSと比べる検索は多いのですが、測っている技能が違うので、点数を並べても意味がありません。落ちるとしたら、理由は英語が聞き取れなかったことではなく、聞き取れた35語を日本語で、一度で、途切れずに言い切れなかったことです。詰まる場所は、日本語話者ならだいたい同じです。

  • 文末の動詞を待つ。 英→日では主節の動詞を最後まで保持し、日→英では否定と時制が確定するまで英語の動詞を出せません。
  • 敬語のレベルを自分で決める。 英語は丁寧さの度合いを指定しないので、です・ます体を基本に、方言や砕けた言い回しは標準語へ寄せます。
  • 数字の桁を組み替える。 日本語は4桁ごとの「万」、英語は3桁ごとのthousand。日付の語順も逆になります。
  • 落ちた主語を補う。 日本語の発話は主語を省くので、英語では誰の話かをその場で決めます。取り違えれば意味が歪みます。
  • 方向を切り替える。 方向はセグメントごとに入れ替わるので、音が流れる前に、次はどちらの言語で返すのかを確認します。

どれも日本語力の欠陥ではありません。家では使わない条件で二つの言語を働かせる技術です。一つずつの練習方法は勉強法とメモのページにまとめました。

準備の順番

順番は、形式を体で覚える、メモの記号を決める、分野語彙を埋める、です。逆にすると単語帳ばかり増えて、口が動きません。

NAATIの公式ダウンロード教材には日本語の練習教材があり、本番の音の速さを知るのに向いています。メモの取り方と詰まったときの動き方は勉強法とメモのページに、Centrelinkや保険、賃貸の語彙は頻出単語リストにまとめました。

そのあとは、録音して採点を見る、の繰り返しです。Lingo Copilot CCLでは本番と同じ最大35語のセグメントで訳を録音し、AIがセグメントごとに、落とした情報と足した情報を指摘します。公式採点の再現ではありませんが、どこで情報が落ちたかは毎回分かります。

形式が分かったら、次は自分の訳を1本録音して、減点される箇所を見る番です。

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よくある質問

NAATI CCLとはどんな試験ですか?

NAATI CCL(Credentialed Community Language)とは、英語と日本語のあいだで日常場面の会話を通訳する、NAATIの録音式の試験です。約300語の対話2本をセグメントごとに聞き、聞き終えた直後にその場で訳を吹き込みます。使い道は永住権申請の5ポイントで、通訳者の認定ではありません。

NAATI CCLに合格すると通訳者として働けますか?

働けません。NAATI自身がCCLを「専門資格ではない」と位置づけていて、通訳の仕事に就くにはNAATIの通訳者資格が別に必要です。CCLの用途は、ポイントテストの5ポイントに限られます。

NAATI CCLの申し込み方法は?myNAATIでどう予約しますか?

naati.com.auでmyNAATIアカウントを作り、CCLの言語にJapaneseを選んで日時を予約し、受験料を支払います。エージェントは要りません。予約後に届く受験者向け指示に、機材と部屋の条件が書かれています。

NAATI CCLの受験料はいくらですか?

執筆時点(2026年9月)でNAATIが公表している受験料はA$814です。改定されることがあるので、支払い前にnaati.com.auで確認してください。再受験のたびにかかります。

NAATI CCLの結果はいつ届きますか?

NAATIによると、結果は試験から4〜6週間以内にメールで届きます。EOIの締め切りがあるなら、6週間を見込んで受験日を決めてください。

NAATI CCLの結果は何年有効ですか?

5年間です。NAATIは2022年8月9日以降に発行した資格すべてに5年の有効期間を設けています。

NAATI CCLは自宅からオンラインで受験できますか?

はい、受験はオンラインのみで、自宅などの静かな部屋から遠隔監督のもとで受けます。カメラ付きのPC、2台目カメラ用のスマートフォンかタブレット、下り10 Mbps・上り1.5 Mbps以上の回線が必要です。

NAATI CCLに落ちたら再受験できますか?

できます。myNAATIから次の日程を予約し直しますが、受験料は再びかかります。回数や間隔の規定はNAATIの最新の案内で確認してください。

NAATI CCLの難易度は?IELTSより簡単ですか?

測る技能が違うので、単純には比べられません。IELTSやPTEは英語力を、CCLは英語と日本語のあいだで意味を欠けずに運ぶ技能を両方向で測り、加点も別枠です。英語が得意でも、35語を聞いてすぐ訳し切る練習をしないと点は落ちます。

NAATI翻訳試験とNAATI CCLの違いは?

CCLは会話を通訳する試験で、翻訳(書く)試験ではありません。「NAATI翻訳試験」と呼ばれているのはプロの翻訳者認定で、用途も内容も別です。永住権の5ポイントが目的ならCCLです。

仕組みが分かったら、自分の声で試す

AI採点付きの模擬テスト1回と練習セッション1回が無料です。減点された箇所をセグメント単位で見てから、受験日を決めても遅くありません。

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